旧消防本部への複合施設整備、約6億円の予算を議論 ― 伊藤真人議員の質疑から(桑名市議会 令和8年6月定例会)
この記事のポイント(3行要約)
- 令和8年6月定例会で、旧消防本部への複合施設整備に約5億9千万円の補正予算が計上された。
- 社会福祉協議会(社協)との移転調整はまだ継続中で、完全に合意が済んでいるわけではない。
- 物価上昇・人手不足・入札不調のリスクを市側は認識しつつも、「現時点では対応できる見通し」と答弁した。
何が議論されたのか
桑名市は令和8年6月定例会に、旧消防本部の建物(桑名市消防本部跡地)を複合施設として活用するための改修費として、5億9千万円の補正予算を計上した。
この施設には、桑名メディアライブ内にある地域コミュニティ化・スポーツ振興課、ふれあい天元プラザ(常磐町)の総合福祉会館の機能のほか、社会福祉協議会事務所・応急診療所・水道お客様センターなどを集約する計画だ。
フォーラム新桑名の伊藤真人議員(23番)は、4月の全員協議会で概要が示されて以降に積み上がった疑問を、5点にわたって質疑した。
論点・各議員と市の立場
社協との調整は本当に「整った」のか?
4月の全員協議会では「社協とはこれから調整する」と説明されていた。補正予算に計上されたことで調整が完了したと受け取った伊藤議員が確認を求めたところ、統括官(松岡考幸)の答弁は「現在も社協と打ち合わせを進めているところ」というものだった。
老人福祉センター機能・身体障害者福祉センター機能については現地確認(旧消防本部での動線確認)を行っている段階であり、また総合福祉会館に入居している各団体への移転先の提示も「協議中」と答えた。予算計上イコール合意済みではなく、調整はなお進行中であることが確認された。
約6億円の内訳と「高額」になった理由
市の答弁によると、主な改修内容は以下のとおり。
- 屋根・防水など建築関係:約2億2,200万円
- 空調の更新など機械設備関係:約1億4,800万円
- 電気関係:約3,800万円
- その他諸経費
これらに加え、応急診療所開設のための感染症対策給排水工事、ユニバーサルデザイン対応トイレの拡充、女性用トイレの増設といった費用が含まれているため、単純な修繕費より高額になっているという説明だった。
物価上昇・入札不調のリスクへの対応
伊藤議員は、多度学園の事業が当初予算70億円から最終的に約92億円(約30%増)に膨らんだ事例を引き合いに出し、この事業でも物価上昇を見込んでいるかを質した。
市は「労務単価の上昇や資材価格の高騰は認識している。直近の市場動向を精査して予算計上した。国からの労務単価基準見直しやスライド情報が示された場合は調整する」と答えた。
入札不調については「現時点で十分な入札参加事業者を確保できている」と述べつつ、不調になった場合は「市場価格・調達状況を反映した上で工事の費用や工期の再検討を行う」と答弁した。
工事が遅れた場合の影響と、現在の空調問題
完成予定は令和9年6月。遅れた場合は「関係機関と協議し、供用開始時期を調整する」と答えた。
再質疑で伊藤議員が指摘したのが、現在の総合福祉会館の空調が「限界に来ている」という実態だ。工事が延びても、施設利用者が困らないよう「臨時的な対応措置を図る」と市側は答えた。
桑名市民への影響
この複合化事業が完成すると、現在バラバラに点在している公共サービス(社協・診療所・水道窓口・コミュニティ施設等)が旧消防本部に集まる。一方で、現在の総合福祉会館を歩いて利用していた方にとっては、場所が変わることで不便が生じる可能性がある。
また、社協との調整が完了していない点は、移転後に提供されるサービス内容が現時点では確定していないことを意味する。利用者団体への配慮が引き続き必要になる。
これまでの経緯
旧消防本部の活用は令和8年4月の全員協議会で方針が示された。複合化の対象となる3施設(総合福祉会館・地域コミュニティ化・ふれあい天元プラザ)はいずれも設備の老朽化が進んでおり、空調の更新など大規模改修の時期が重なっていた。
出典・確認方法
本記事は桑名市議会インターネット映像配信の令和8年6月定例会(映像はこちら)を参考に、くわな会議が独自に要約・解説したものです。発言の正確な文言や詳細は、公式の会議録検索(公開後)でご確認いただけます。
本記事中の予算数字は以下の公式資料で照合済みです。
- 令和8年第2回定例会(議案・資料一覧) — 桑名市議会公式
- 令和8年度補正予算参考資料(第4号)PDF — 事業概要と金額
- 令和8年度一般会計補正予算書(第4号)PDF — 歳出明細
- 議案質疑通告表 PDF — 質疑議員名・質問項目
- 令和8年4月13日 全員協議会 事項書 PDF — 複合化方針の説明会
- 桑名市が1億7861万円増額補正案を発表 多度地区一貫校事業の仮契約者決定(伊勢新聞・2023年1月12日)
※仮契約額78億7886万円(前田建設工業グループ)の根拠
※総事業費が当初見込みより約12億円増の91億円余になったことの根拠(有料会員記事)
※「建設費だけで92億円以上」の記載
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※事業全体の公式情報(募集要項・契約書案・設計書など)